2019.07.29ブログ
生理前のイライラ、どうしたらいい?
こんにちは(^O^)
ロコズビューティーハウオリです♡
生理前になると「イライラする」「怒りっぽくなる」「やる気が起きない」など、精神的に不安定になることはありませんか?
その結果、仕事でミスをしてしまったり、周囲の人と衝突してしまったりすると、余計に落ち込んでしまいますよね。
今回は、「生理前のイライラ」がどうして起こるのか、また有効な対処法についてお話します。
約6割の女性がイライラ、不安になるなどの症状を自覚
読者アンケートで、生理前に情緒不安定になることがあるか聞いてみたところ、「毎回ある」と答えた人は約2割、「ときどきある」と答えた人は約4割という結果に。約6割の女性が生理前の情緒不安定を自覚しているようです。
また、みんなが自覚している症状としては
・「些細なことで家族と喧嘩する」(25歳/医療・福祉/専門職)
・「生理前はイライラして、気持ちのコントロールができず、仕事に支障が出ます」(39歳/その他/秘書・アシスタント職)
・「怒りっぽくなり、興奮状態になりやすい。気が立って、寝つきが悪くなる」(39歳/建設・土木/事務系専門職)
・「テレビを見ていても涙もろくなるし不安定」(33歳/その他/事務系専門職)
・「ちょっとしたことでイライラする。いつもはイライラしても我慢できるけど、生理中は態度に出やすくなる」(32歳/その他/販売職・サービス系)
・「今までは精神的なことはあまりなかったのに、30歳を越えてから生理前のイライラや倦怠感が出るようになった」(31歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
といった声が上がりました。「イライラする」「不安になる」「涙が出る」といった症状が目立ち、中には、仕事や日常生活に支障が出ているケースも。ほかに、頭痛や腰痛などの生理前の時期の体調不良が原因で、イライラしてしまうという声も出ました。
生理前のイライラ、ホルモン変動が背景に
生理前になぜイライラしやすくなったり、気分が落ち込んだりする症状が起こるのでしょうか?
排卵後、体は妊娠を継続させるためにプロゲステロンというホルモンを出し、プロゲステロンは排卵を期に増えていきます。
その後、妊娠に至らない場合は、プロゲステロンが急激に減っていきます。このプロゲステロンの急激な増減が、生理前の不調の原因のひとつと考えられています。ホルモンの分泌の変化は、体の機能を調節する「自律神経」に影響を及ぼすため、頭痛やイライラなどの自律神経失調症状があらわれやすくなるんですね。ただ、自律神経はストレスによって受ける影響が大きく、女性ホルモンの変化以外にも多くの要因が関係しているといわれています。
一方で、生理前の「嫌だな」と感じるからだの変化もよく考えると、ちゃんと排卵し、プロゲステロンが出た結果、感じる変化なんです。婦人科医としては、みなさんに「生理のサイクルがちゃんと来ているからなのね」と、受け止めてもらえるとうれしいですね。体の変化を肯定的に受け止めるだけでも、気持ちが落ちついて症状が改善することがあります。
生理前のみ調子が悪いなら月経前症候群(PMS)
月経前に体調が悪くなる、イライラするなどの不快症状が続くことを「月経前症候群(PMS)」といいます。精神症状が強いものは「PMDD(月経前不快気分障害)」と診断されると聞きました。
PMSとひと言でいってもさまざまな症状があり、症状の程度にも個人差があります。心の症状としては「イライラする」「緊張が強い」「涙もろくなる」「うつっぽくなる」という4つが多いです。
ただ、PMSとは「生理前だけ調子が悪いこと」と理解しておけばよいでしょう。具体的には、生理がはじまる1週間ぐらい前からさまざまな不快症状が起きて、生理がはじまると症状が軽くなったり、解消したりする症状のことをいいます。生理前のイライラや不安、落ち込みなどもPMSの症状のひとつです。
一方、PMDDは精神的な症状が強く出て、重症な抑うつ状態になることをいいます。PMDDの頻度は約1%と言われ、 診断される人の割合は多くはありません。PMDDは心療内科や精神科での診断・治療が必要になります。
楽になれる方法を見つけ、つらいときには婦人科へ
症状にもよりますが、生理前にイライラしそうと思ったら、リラックスして過ごしたり、予定を入れすぎないようにしたりするなど、工夫することで気持ちを落ち着かせることはできそうですね。
多少の不調は誰にでも見られるものなので、一時的なことと受け止めて上手に過ごしている人も多いと思います。調子のいいときに、仕事場やまわりの人に「生理前は、イライラしてしまうことがあるの」と、伝えて理解を求めるのもひとつの方法です。
でも、中には、気持ちのコントロールがきかなくなって、仕事や人間関係に支障が出てしまう人もいますよね。そんな場合には、婦人科に相談してみましょう。治療で症状を緩和することができます。
PMSの治療法のひとつ目のチョイスは漢方療法です。漢方療法は、個人の証(症状や体質)に合わせて、漢方薬を使用することで体調を整えていくというような治療法になります。PMSの治療では、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、 女神散、抑肝散などがよく用いられます。効果は個人差があり、効き目もゆっくりとしたものになります。
2つ目のチョイスは低用量ピル。ホルモン値を安定させることで、PMSの症状を緩和します。服用すると、PMSの症状が3カ月以内によくなるというデータ があります。
低用量ピルには、エストロゲンとプロゲステロンが少量含まれていて、これを服用すると、体はエストロゲンがすでに体内にあると錯覚します。その結果、排卵は起こらず、プロゲステロンの急激な増減も起こらなくなるという仕組みです。本来なら、生理周期ごとに女性ホルモンのダイナミックな変化があるわけですが、その変化をなくすことで、「生理前の変化=PMS症状」を起こさないようにコントロールできるというわけです。
QOLを高くして生きることが自分を守ることに
今の時代、調子が悪いことをわかっていながらやり過ごす時代ではないよね、我慢は美徳ではないよねということ。QOL(生活の質)を高く保って生活することは、自分の体や生き方を大事にすることでもあると思うんです。働く女性は、仕事のパフォーマンスを維持することも重要ですよね。低用量ピルなどを上手に活用して、不調を積極的にケアしていこうというふうに、合理的な考え方を持つ女性が増えるといいなと思います。
もちろん、薬というものは当然副作用があったり、効果も個人差があったりするものですが、医師と相談しながら用法・用量を守って正しく使えば過度に心配しすぎる必要はありません。
また、治療がうまくいくかどうかは、その人の向き合い方でも変わってくるもの。自分でそうしたいと思って納得して薬を使うのと、勧められて嫌々やるのとでは、治療効果や継続率がちがってきたりします。だからこそ自分はどうしたいのかを大事にして、自分の体や心と向き合って自分で決めることが大切ですよ。
ちなみに低用量ピルは、月経困難症(生理が重い)や子宮内膜症の場合には、保険適用となります。自費の場合でも、ひと月3,000~4,000円くらい(東京での相場) で処方してもらえます。困ったら婦人科に相談してみてください。
――「このイライラはPMSかな?」と思ったときに、どう解決していくか。困り具合をいちばんよく知っているのは、自分自身だということ。毎日を快適に過ごすためにも、正しい知識を得て、心と体のケアをしていくことが大事ですね。
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